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一晩中、なき声聞こえてた。

なき声がずっと続くので、
暗い深海の中をただよう夢から引き戻された。

声の主は、さっと隠れて

「あのね、起こしたかったの。
  寝起きの声がききたかったから、
  わざわざ起こしたかったの」

申し訳なさそうに、
力なく笑って下向いた。

あの人が、眠りをさまたげられて怒るかどうかは、
賭けだった。

静かに

「いいよ」

そう言うと、
あの人は
眠そうに安物の枕にボフンッと
頭を落とすと、
またゆっくり深海の世界へと戻っていった。

その隠れ家は、安全そうで、
なによりだ。

いつでもないてくれるといいよ。

いいよ。

いいよ。

なんでも、
すぐに

いいよという。

いいよが、くりかえされて、
いいにょになって、
いいにょ〜が、
いいにゃ〜になって、
それが、にゃ〜となく私のなき声とかさなって、

もう、
にゃ〜としかなかないわたしとあなた。

屋根裏にいつでもおこしください。
寝かしつけては起こしますから。。。
深海と通じる屋根裏にて、
ごろごろいいませう。

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