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またまたとんで、とべそで、とべず、またとんだ?

エアーのポートですよ。
もう、エアーのポート。

イタリアから、帰る。
帰るのに、一緒だったみんなは、まだまだ
旅の途中ってので、私は独り・・・。

でも、心強い。
以前フィレンツェロケでお友達になった人が来てくれた。
「ありがとうありがとう」いいながら、エアポートですよ。

人居な~い。やった~ 空いてるね。
なんてはしゃいでいたら、あんまりにも人が居ない。
苦ぁいエスプレッソちびちびススル。
友人どっか駆け回ってる。
友人は、犬でもなければ、ここは庭でもない。
のに、駆け回ってる。
駆け回って戻って来たんで「おぉ、お帰り」
と言うと「ストだってスト・・・。」
私は、飲めないエスプレッソを落ち着いた感じでススリ。
「空いてるわけだ」と言った。

ストライキだよ。次いつ飛ぶの?
電車でどこかまで行くの?
って、また友人は駆け回ってくれている。
今日無理なら、ホテルは?
などなど、先ほどまで一緒だった一行に電話する。
右耳で、電話の声を聞き、左耳で友人の声。
と、色々調べていると
なんと偶然、今朝まで泊まっていたホテルの
私の泊まっていた部屋だけ、明日までとれていて、
それを今朝キャンセルして出たと判明。
「待って待って、そのキャンセルキャンセルして」と意味の分からぬことに・・・。

そんなんで、京都の姉妹都市、古都フィレンツェで、おまけの一日があったわけです。
その夜は、とてもゆったりした。屋根の上寝そべり星見上げ、今頃機上の
人だったのに、なにか、色んなものにありがとうと思いました。
しかし、妙なホテル側のトラブルで、部屋がとってあったのは不思議です。

と、ここで、エアポート話は終わるはずが・・・、
私のエアポート話は、そんなに簡単に尽きない。
なんだかんだで成田には着き。
やっとこさ荷物が出て来、
あぁ、今回の旅も何とか無事に終えられそうだ。と、
カートを押す。
スワットみたいな格好をしたお姉さんが私に近づく。
麻薬検査犬を連れている方たちだ。
そういえば、さっきから、かわいいワンコがうろついている。
「すみません」 「はい」 お姉さんは、犬を連れていない。
「今から税関に行かれますよね?」 「あ、はい」(だって帰るんだもん)
「あの、麻薬検査犬の訓練に協力いただけませんか」
おっ おもしろそう!と即座に「あ、いいですよ」
何するんだろうとわくわくしていると、
「麻薬の匂いがついた布を足首に巻いて税関まで歩いて行ってください」
ほうほう、と足首を差し出しながら、指差されたところを見る。
怖そうなお兄さんと犬がうろうろ。その先に税関の鋭い目。
急に不安になる私。
「え、え、ちょっと待って、これ話通ってるんですよね?」
「あ、はい」と、私の足元に屈むお姉さん。
犬はいったいどうするのだ?
跳びかかる?そして税関で、荷物全部開けたり、別室?
と一瞬でぐるぐる想像する。
「え、いや、あの、犬は?時間かかります?」
と、いっぺんに聞こうとしておかしな質問。
「大丈夫です。犬がやって来て、目の前でお座りするだけです」
胸を撫で下ろし、安心した途端にまた好奇心が戻ってくる。
「え、新人さんの犬なんですか?」
「えぇ、訓練が必要ですから」
「ですよねぇ」なんて屈んでいるお姉さんに話かける。
差し出す足首には、短いストッキングのようなもの。
「これ、色んな麻薬あるんですか?」と問う私に、
「あ、はい色々ありますが、これは大麻草です」
「へぇ~」
私の横でピタッと座ったワンコは、これから立派な巡査になっていくんでしょうね。

大麻草で捕まって、拘置所から何通もお手紙をくれた中島らもさん。
そのらもさんの『異人伝』が文庫になるにあたり、
解説に変えて、ちょっとした文を書かせていただきました。
6月15日金曜日、講談社より発売されます。
もし、よろしければ・・・。